放送大学は教養学部だけの単科大学ですが、専攻がいくつかに分かれています。



生活と福祉・・・衣食住などの生活学全般を取り扱っています。看護学や健康科学をはじめ、国内外の福祉制度などについても学べます。私は「社会福祉の国際比較」や「家族と生活ストレス」などを履修しました。女性に人気の専攻です。



発達と教育・・・心理学と教育学について学びます。そこそっこが所属していた専攻でもあります。予備知識として心理学を学ぶ看護士さんもたくさんいらっしゃいます。放送大学でもっとも学生数の多い専攻でもあります。特に主婦に人気。



社会と経済・・・社会・経済・政治・法律の科目を学びます。高橋和夫先生の国際政治関連科目もここに所属します。私が自分の専攻の次にお世話になった分野です。心理学を学ぶうえで、人間を取り巻く社会や文化について知ることは欠かせないと考えていたからです。



産業と技術・・・私にはまったく縁のなかった専攻です(笑)ので多くは語れません。経営管理を学びたい方が多かったと思います。あ、でも地球環境についての科目をひとつ取ったかな? 科学技術と環境問題は切っても切りはなせません。面接授業では、コンピュータのプログラミングについても学べるようです。



人間の探究・・・文学・芸術・文化人類学・哲学・歴史に興味のある方はこちらですね。私も文化人類学や哲学でお世話になりました。哲学は心理学の生みの親(されど理解は超困難)。「生きる」ことの深淵を教えてくれた分野でもありました。



自然の理解・・・これもほとんど縁がありませんでしたねえ(笑)。数学・物理・生物などなど理系科目が目白押し。私は唯一「動物の行動と社会」を学びました。これ、面白かったですよ(今は科目名が改訂されてますが)。動物の社会も人間世界に劣らず多様なのです。



放送大学でいう「専門科目」は、これら専攻のどこかに所属しています。



専門科目のほかに「共通科目」というものがあります。これは通常の大学でいう「一般教養」に当たるものです。一般教養科目は大きく、人文系、社会系、自然系に分かれています。



そのほかに基幹科目・主題科目という独特の科目もあります。一応、共通科目の単位として加算されるものですが、これらの科目のキーワードは「学際」。つまり分野の垣根を越えて学問を追求するのが狙いです。
私が履修した「地球環境を考える」「共生の時代を生きる」などの科目はまさに斬新な試みでした。例えば「地球環境を考える」では、理系・文系・社会系の各分野の教授が登場して、それぞれの観点で環境問題を定義しています。教材作成の裏側では、教授同士がそれぞれの意見をぶつけあって、かなり熱い討論になったという噂も聞きました。



いちから学んで学位取得を目指す人は、トータルで124単位を取得しなければなりません。共通科目・専攻科目・放送授業・面接授業、それぞれで取得するべき単位数が決められています(詳しい単位数は今後変わる場合もあるので明言は避けます)。



しかし放送大学のテーマのひとつは「学際」ですので、なるべく幅広く自由に学ぶことを求められます。そのため、専攻にかかわらず自由に取得できる単位数が、他の大学に比べて多いのではないかと感じます。



そのほかに必修として以下の科目があります。



外国語科目・・・英語、フランス語、ドイツ語などなど。第1・第2外国語という分け方はしていません。トータルで6単位取得していれば、英語だけで6単位とってもいいし、英語やフランス語、ロシア語など、色々組み合わせてもOK。最近は韓国語が人気。私も面接授業で勉強しました。みなさん、苦労しておられます(^_^;)。



保健体育・・・実技(面接授業)と放送授業に分かれていますが、2単位取ればどちらで履修しても構いません。私は超・運動音痴なので、放送授業2単位ですませてしまいました。しかし内容はメチャ難しかった。筋肉の断面積の求め方とか出てきてもさっぱり意味不明(泣)。運動が好きな人は面接で取った方が断然ラクです。
編入生の場合、前の教育機関で保健体育に相当する単位を取っていれば履修不要のようです。