ソーキチが旅立って10日たった。


最初の5日間は、写真や動画を見て泣き暮らした。

やがて涙が枯れた。

野良時代は堂々としてケンカ好きなボス猫。

家猫になってもあんなに元気で食欲旺盛だったソーキチが、

最後はご飯も食べられず、足はヨロヨロ、トイレをしたあとはヘタっていた。


本当に限界だったんだ。

そこまで頑張ったんだ。

精いっぱい生きたんだ。

今はきっと天国で元気なんだ。


そう思ったら、少しほっとした。


ソーキチは教えてくれた。

彼はただ、食べて寝て遊んで甘えるだけの猫生で、

最後は世話もいっぱい必要としていたけど、

でも私には、いてくれるだけで十分だった。

甘えてくれるだけで十分だった。

寝たきりでもいいから、いつまでもそばにいてほしかった。


ただそばに「いる」だけでいい。

そんな愛があることを教えてくれたソーキチ。


死を恐れていた私に、

死は決して怖いものではないということ、

だけどときにつらく、でも美しく尊いものだと

その死にざまで教えてくれたソーキチ。


愛しているよ。


いつかまた会える。

私たちが逝く時が来たら、虹の橋まで迎えに来てくれる。

そう約束した。

だから私は、その日まで精いっぱい生きる。

めいっぱい愛して、愛を受け入れて

役割を果たして 天寿をまっとうしよう。

ソーキチがそうだったように。